保育の記録と安全解説2026.08.13 公開HK-53

指導計画とは?年・月・週・日がつながる作り方

目次

月案を書き、週案を書き、日誌を書く。どれも期限があるので、それぞれを埋めることが目的になっていきます。3つがつながっていないと、書く量だけが増えて、保育は変わりません。

この記事では、指導計画を、何の計画か・つなげ方・書く時間を短くする方法の3つに分けて整理します。読み終えたときに、自社の書き方を見直せる状態を目指します。

保育日誌のほうから確かめたい方は、こちらを読むと早いです。→ 保育日誌の書き方

結論:長いものから短いものへ、ねらいが降りてくる

指導計画とは、保育のねらいと内容を、期間ごとに定めた計画のことです。保育所保育指針にもとづいて作成します。

期間で分けると4つになります。年間計画、期(または月)の計画、週の計画、日の計画。

ねらいが降りてくる年の計画1年の方向を決める月の計画子どもの姿から立てる週の計画活動と環境を決める日の計画流れと配慮
年・月・週・日でねらいが降りてくる形を示した層の図

ポイントはここです。下の計画は、上の計画から降りてきます。月案のねらいを週案に割り、週案を日の保育に落とす。ゼロから考えるのは年間計画だけです。

つながっていないと、月案と日誌のねらいが別のものになります。書く側の負担も増え、読む側にも伝わりません。

4つの計画の役割

それぞれの役割を分けて押さえます。

年間計画。1年を通した育ちの見通し。期ごとのねらい。

月の計画。その月のねらいと、活動の内容、環境の構成、配慮。

週の計画。月のねらいを、その週の活動に割る。

日の計画。その日の流れと、配慮すること。日誌と一体になっている園もあります。

4つの計画で書くこと計画書くこと発達の見通しと行事前月の姿と今月のねらい活動・環境・配慮時間の流れと援助
4つの計画と、それぞれで書くことを並べた表

個別の計画も別に求められる場合があります。3歳未満児や、配慮が必要な子について、一人ひとりの計画を作る形です。

自社にどれが必要かは、施設の種類と自治体の指導によって変わります。確かめて一覧にしておきます。

つなげ方

つなげるコツは、言葉をそろえることです。3つあります。

1つ目は、ねらいの言葉を変えないことです。月案に「友達と一緒に体を動かすことを楽しむ」と書いたなら、週案でも同じ言葉を使います。

2つ目は、週案に月案のねらいを書く欄を作ることです。毎週書き写すと、自然につながります。

3つ目は、日誌に週案のねらいを書く欄を作ることです。同じ形です。

つなげる2つの工夫1言葉をそろえる上の計画と同じ語を使う2欄を作る前の計画を書き写す欄3印字する手で写す作業をやめる
言葉をそろえる・欄を作るという工夫を示した図

欄を作るだけで、つながります。書く人が意識しなくても、様式が誘導します。

言い換えると、つながりが切れます。「体を動かす」が「運動遊び」になり、次に「戸外活動」になると、同じことを言っているのか分かりません。

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実際に使える様式が必要な方へ

月間指導計画のExcelの様式が、商い屋の保育向けのページにあります。この記事はつなげ方の話です。

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子どもの姿から書く

ねらいを先に立てるのではなく、子どもの姿から考えるのが指針の考え方です。

手順は3段です。

1つ目は、いまの姿を書くことです。何ができるようになったか、何に興味があるか、どこでつまずいているか。

2つ目は、ねらいを立てることです。その姿から、次にどう育ってほしいか。

3つ目は、内容と環境を決めることです。ねらいに向かって、何をするか、どんな場を用意するか。

子どもの姿から書く3段1姿前の月に見えたこ2ねらい育ってほしいとこ3内容活動と環境と援助
姿・ねらい・内容という3段のフロー

1つ目が薄いと、ねらいが毎年同じになります。「季節の行事を楽しむ」「友達と仲良く遊ぶ」。どの年のどのクラスにも当てはまる言葉です。

姿を書く材料は、日誌と連絡帳にあります。月末に読み返すと、その月に何が変わったかが見えてきます。

振り返りを次に回す

計画には、振り返りの欄があります。ここが次の計画の出発点になります。

書くのは2つです。

1つ目は、ねらいに対してどうだったかです。届いたか、届かなかったか。子どもの具体的な姿で書きます。

2つ目は、次にどうするかです。続ける、変える、やめる。

振り返りが次に回る1ねらい月の初めに立てる2実践週と日に降ろす3振り返り届いたかを書く4次の姿翌月の出発点に
振り返りが次の計画の姿につながる循環の図

振り返りを書いてから、次の計画を書く。この順番にすると、次の計画の「子どもの姿」の欄が自然に埋まります。

逆にすると、つながりません。次の月案を先に書いてしまうと、振り返りが後付けになります。

書く時間を短くする

計画は量が多いので、時間の工夫が要ります。4つあります。

1つ目は、上から写せる形にすることです。月案のねらいを週案に写す。考え直さない。

2つ目は、様式の欄を絞ることです。細かく分かれた様式ほど時間がかかります。

3つ目は、書く時間を確保することです。午睡の時間、ノンコンタクトタイムを作る。

4つ目は、複数の目で作ることです。1人で抱えると時間がかかります。クラスの担任で分担します。

時間を短くする4つ工夫効きどころ書き写しをやめる印字と参照にする欄を絞る使っていない欄を外す時間を確保する勤務表に組み込む分担する複数担任で分ける
写す・絞る・時間・分担という4つの工夫を並べた表

1つ目がいちばん効きます。週案でねらいをゼロから考えていると、時間が倍かかります。

様式を見直すときは、書く人に聞くのがいちばん早く分かります。「この欄は何を書けばよいか分からない」という欄は、たいてい要りません。

個別の計画

3歳未満児や、配慮が必要な子については、個別の計画が求められる場合があります。

書くのは、その子のいまの姿、ねらい、配慮すること、家庭との連携です。

クラスの計画と別に作りますが、切り離しません。クラスのねらいの中で、その子にどう関わるかを書きます。

家庭との連携の欄は、連絡帳や面談の内容とつながります。保護者と共有した内容を書いておくと、次の面談でも使えます。

個別の計画は、月ごとに見直す形が一般的です。見直した記録が、その子の育ちの記録にもなります。

監査や指導で見られるところ

指導計画について確かめられるのは4つです。

1つ目は、作成しているかです。求められている種類がそろっているか。

2つ目は、つながっているかです。年・月・週・日のねらいが対応しているか。

3つ目は、振り返りがあるかです。書きっぱなしになっていないか。

4つ目は、個別の計画があるかです。対象の子について作られているか。

2つ目と3つ目でつまずく園が多くあります。それぞれの計画はあるが、別々に書かれている状態です。

欄を作って写す形にしておけば、自然に対応します。指摘を受けてから直すより、様式を変えるほうが早く済みます。

年度の途中で計画が合わなくなったとき

指導計画は、立てた時点の子どもの姿で作られています。年度の途中で合わなくなるのは自然なことです。

合わなくなる場面は4つあります。

1つ目は、子どもの育ちが早く進んだときです。ねらいがすでに達成されています。

2つ目は、逆に届かないときです。段階を1つ戻します。

3つ目は、新しい子が入ったときです。クラスの雰囲気が変わります。

4つ目は、行事や季節の都合で予定が動いたときです。

4つのどれでも、月の計画から直します。年の計画まで毎回直す必要はありません。年の計画は方向、月と週が実際の動きという役割の分け方をしておくと、直す範囲が決まります。

直したことは、次の月の計画の「前月の姿」に書きます。直した記録が残っていないと、なぜ変えたのかが分からなくなります。

複数担任で計画を共有する

担任が2人以上いるクラスでは、計画を共有できていないことが、いちばんの混乱のもとになります。

共有の形は3つあります。

1つ目は、作るときに一緒に話すことです。1人が書いて回覧する形だと、書いた人の計画になります。15分でよいので、一緒に決める時間を取ります。

2つ目は、週の初めに確かめることです。今週のねらいを口に出して1回確かめます。

3つ目は、掲示することです。保育室の見えるところに、今週のねらいを1枚貼ります。パートや補助の職員にも伝わります。

3つ目が抜けている園が多くあります。計画を知らないまま入る職員がいると、同じ場面で違う関わりになります。子どもが混乱します。

個別の記録とつなげる

指導計画は、クラス全体のものと個別のものがあります。つなげ方を決めておきます。

つなげ方は3つです。

1つ目は、気になる子を先に決めることです。全員分の個別計画を毎月作るのは現実的ではありません。必要な子を決めて、その子は毎月作ります。

2つ目は、日誌から拾うことです。日々の記録に出てくる名前が偏っていたら、その子の計画が要るという合図です。

3つ目は、保護者と共有するかを決めることです。共有すると、家庭での関わりがそろいます。ただし伝え方には配慮が要ります。

個別の計画が必要な範囲は、自治体の指導で違うことがあります。所轄の市町村の保育担当課に確かめてください。

書く時間を勤務の中に確保する

指導計画が形だけになる最大の理由は、書く時間が勤務の中に無いことです。

確保の仕方は3つあります。

1つ目は、午睡の時間を使うことです。ただし午睡中の見守りを減らさないことが前提です。見守りの人数を確保したうえで、交代で書く形にします。

2つ目は、ノンコンタクトタイムを作ることです。子どもから離れる時間を勤務表に組み込みます。

3つ目は、様式を軽くすることです。毎月書き写している部分を印字にする、選択式にする。

3つのうち、いちばん早く効くのは3つ目です。様式を1枚減らすだけで、クラスあたり数時間が戻ります。書く量が減ったぶん、中身に手をかけられます。

まとめ

指導計画は、年・月(期)・週・日の4つで、ねらいが上から降りてきます。ゼロから考えるのは年間計画だけです。

つなげるコツは、言葉をそろえることと、下の計画に上のねらいを書く欄を作ることです。欄があれば、書く人が意識しなくてもつながります。

ねらいは、子どもの姿から立てます。姿が薄いと、ねらいが毎年同じ言葉になります。姿の材料は、日誌と連絡帳にあります。

振り返りを書いてから、次の計画を書きます。この順番にすると、次の「子どもの姿」の欄が自然に埋まります。求められる計画の種類は、所管の自治体に確かめるのが確実です。

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実際に使える様式が必要な方へ

月間指導計画のExcelの様式が、商い屋の保育向けのページにあります。ねらいを写す欄が入った形です。

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よくある質問

Q. 週案は必ず必要ですか。 A. 求められる計画の種類は、施設の種類や自治体の指導によって変わります。月案と日誌で回している園もあります。自社に何が求められるかを、所管の自治体に確かめて一覧にしておきます。

Q. ねらいが毎年同じになります。 A. 子どもの姿を書く欄が薄いことが原因です。その月に何ができるようになったか、何に興味が向いたかを具体的に書くと、ねらいも変わります。日誌と連絡帳を読み返す時間を月末に取ります。

Q. 振り返りに何を書けばよいか分かりません。 A. ねらいに対して、子どもの具体的な姿を書きます。「楽しんでいた」ではなく「砂場に毎日来て、トンネルを掘り続けていた」。そのうえで、次にどうするかを1行足します。

Q. 書く時間が取れません。 A. 上から写せる形にすると、週案の時間が半分になります。様式の欄を絞る、担任で分担する、午睡の時間に書く時間を確保する。この4つで、かなり変わります。

Q. 個別の計画は誰の分を作りますか。 A. 3歳未満児や、配慮が必要な子について求められる形があります。対象は施設の種類や自治体の指導によって変わるため、確かめます。作る対象を一覧にしておくと抜けません。

Q. 行事の計画も指導計画に入りますか。 A. 行事は、ねらいを達成する手段の1つです。行事そのものが目的にならないよう、月案のねらいとのつながりを書いておきます。行事のための練習が中心にならないかを見ます。

Q. 計画と実際の保育が違ってしまいます。 A. 子どもの姿に合わせて変えること自体は自然です。変えた理由と、実際に何をしたかを振り返りに書きます。計画どおりにいかなかったことが、次の計画の材料になります。

Q. 様式はどこで手に入りますか。 A. 自治体や事業者団体が公開しているものがあります。自社の実情に合わせて欄を絞ると使いやすくなります。書く人に「この欄は何を書くか分かるか」を聞いて見直します。

Q. 保存の期間はどれくらいですか。 A. 施設の種類や自治体の基準によります。児童票や日誌とあわせて残している園が多くあります。所管の自治体に確かめます。

Q. 電子で作ってもよいですか。 A. 作れます。上から写す作業が楽になるという利点があります。ただし、様式が複雑なままだと、電子にしても時間は短くなりません。まず欄を絞ってから電子にするほうが効きます。

Q. 指導計画の様式は決まっていますか。 A. 全国共通の様式はありません。自治体が例を示していることがあります。保育所保育指針に沿った内容になっていることが前提です。所轄の市町村の保育担当課に確かめてください。

Q. 日の計画は毎日書かなければなりませんか。 A. 園によって扱いが違います。週の計画に日ごとの欄を設けて、そこに書く形にしている園が多くあります。二重に書く形になっていないかを見直してください。

Q. 振り返りは、どこに書きますか。 A. 計画と同じ紙に書くと、次の月に使えます。別の紙にすると、読まれなくなります。ねらいのすぐ下に振り返りの欄を置く様式が使いやすい形です。

Q. 計画の保存期間は何年ですか。 A. 自治体の指導によって違います。所轄の市町村の保育担当課に確かめてください。要録や児童票の保存年数とは別の扱いになることがあります。

Q. 行事の準備で計画どおりに進みません。 A. 行事を計画に組み込んでおく形にします。行事の準備も保育の一部です。計画の外に置くと、毎年同じ時期に計画が止まります。

Q. 週の計画と日誌は、同じ紙にまとめられますか。 A. まとめている園があります。計画の下に実際の様子を書く形です。ただし計画と記録が見分けられる形にしてください。同じ欄に混ぜると、あとから計画だったのか結果だったのかが分かりません。

Q. 新しく入った職員が計画を書けません。 A. 前年度の同じ月の計画を渡します。写させるためではなく、書き方の見本として渡します。そのうえで、今年のクラスの姿を1つだけ足してもらう形から始めると書けるようになります。

Q. 異年齢の保育をしている場合、計画はどう作りますか。 A. 年齢ごとのねらいを持ちながら、同じ活動の中でどう関わるかを書きます。同じ活動に、年齢ごとの見方を並べる形の様式にすると1枚に収まります。所轄の市町村の保育担当課の指導も確かめてください。

Q. 計画を立てても、そのとおりに進みません。 A. そのとおりに進めることが目的ではありません。子どもの姿に合わせて変えた記録が残っていれば、計画は機能しています。変えた理由を1行書いてください。