保育の記録と安全やり方2026.08.07 公開HK-02

保育日誌の書き方|ねらいと子どもの姿を残す

目次

保育日誌は、書く時間が取れないことでいちばん悩まれている書類です。子どもが帰ってから書き始めると、そこから片付けと会議が続く。結局持ち帰る、という話をよく聞きます。

この記事では、保育日誌に何を書くのか、「ねらい」と「子どもの姿」をどう書き分けるのか、そして勤務時間内に書き終える形にどう整えるのかを整理します。

午睡チェックの記録は別にまとめています。→ 午睡チェック表の間隔

結論:保育日誌は「ねらい」「子どもの姿」「振り返り」の3つ

保育日誌とは、その日の保育の内容と子どもの様子を記録したもののことです。

日誌の様式は園によって違いますが、柱は共通しています。書くのは3つです。ねらい(その日に何をねらったか)、子どもの姿(実際にどうだったか)、振り返り(次にどうするか)。この3つがつながっていることが、日誌の形になります。

ポイントはここです。3つはバラバラに書くものではありません。ねらいに対して子どもがどうだったかを書き、そこから次の手を考える。1本の流れとして書くと、短くても中身のあるものになります。

3つが1本につながっているねらい今日どう育ってほしいか子どもの姿実際にどうだったか振り返りねらいに戻して見る
ねらい・子どもの姿・振り返りが1本につながる構造の図

逆に、3つが独立していると、「ねらい:友だちと関わる」「子どもの姿:元気に遊んだ」「振り返り:明日も楽しく」のような、どの日にも当てはまる文になります。

ねらいは月案・週案から持ってくる

ねらいを毎日ゼロから考えていると、時間がかかります。月案と週案から降ろしてくるのが本来の形です。

月の指導計画にねらいがあり、それを週に割り、さらに日に落とす。日誌のねらいは、週案のねらいをその日の活動に当てはめたものになります。

ねらいは上から降りてくる1月案1か月のねらい2週案今週に割ったもの3日誌今日のぶんを写す
月案から週案、日誌へとねらいが降りてくる流れ

週案が無い、あるいは形だけになっている園では、まずそちらを整えるほうが先になります。

こうしておくと、日誌を書くときにねらいを考える必要がありません。週案を見て写すだけです。書く時間が短くなるうえ、計画と記録がつながります。

指導検査では、このつながりが見られます。逆に言えば、週案がしっかりしていれば日誌は短くて構いません。日誌だけを厚くしても、計画とつながっていなければ評価されません。日誌のねらいが週案と関係ない内容になっていると、計画に沿った保育が行われているかを確かめられません。

子どもの姿は「具体的な1場面」で書く

いちばん差が出るところです。クラス全体をまとめて書こうとすると、抽象的になります。

クラス全体を書こうとすると、かえって何も伝わりません。

書き方のこつは、具体的な場面を1つか2つ選ぶことです。「みんな楽しそうだった」ではなく、「◯◯ちゃんが積み木を高く積み、崩れると『もう1回』と言って何度も作り直していた」。

1場面を具体的に書く全体をまとめるみんな楽しそうだった仲良く遊んでいた誰のことか分からない1場面を書く砂場でトンネルを掘ったAちゃんがBちゃんを呼んだ崩れても掘り直した翌日の計画につながる
全体をまとめた書き方と、1場面を具体的に書いた書き方の比較の図

全員について書く必要はありません。その日のねらいに関わる場面が見えた子を、数人選んで書きます。日を変えれば別の子が書かれるので、1か月で見れば全員が出てきます。

1日に3人書けば、20人のクラスでも1か月で全員が2回は出てきます。

その日いちばん心が動いた場面を選ぶ、という決め方でも構いません。印象に残った場面には、たいてい書く価値があります。

書く子が偏らないよう、名前の一覧にチェックを付ける運用にしている園もあります。今週まだ書いていない子が分かる形にしておくと、気になる子ばかりになりません。

場面を選ぶときは、ねらいに関係するものを優先します。関係しない場面でも、印象的なら書いて構いません。

子どもの言葉はそのまま書きます。「楽しそうだった」より「『もう1回』と言った」のほうが、その子の姿が伝わります。

振り返りは「次の一手」まで書く

振り返りが「よかった」「明日も続けたい」で終わっていると、次につながりません。

書きたいのは2つです。ねらいに対してどうだったか(届いたか、届かなかったか)、次に何を変えるか(環境、声かけ、時間の取り方)。

振り返りは翌日の計画に戻る1ねらいを置く今日どうなってほしいか2姿を書く実際にあった場面3振り返る届いたか、次はどうするか振り返りが、翌日のねらいになる
振り返りで書く2つと、それが翌日の計画に戻る循環の図

書き方の例を挙げます。

> ねらいの「順番を待つ」は、滑り台では自然にできていたが、ブランコでは待ちきれない姿が見られた。明日は待つ場所に印を置いてみる。

振り返りを書くときは、その日の出来事よりねらいに戻るのがこつです。ねらいから始めれば、自然に次の手が出てきます。

「明日は◯◯してみる」まで書くと、翌日の計画がそのまま出てきます。日誌を書く時間が、翌日の準備の時間にもなります。

振り返りは、1行で足ります。長く書くより、次の行動が1つ書いてあるほうが価値があります。

うまくいかなかったことも書きます。できなかったことを書くのが評価に響くと感じると、日誌は当たり障りのない文章になります。園として、そうならない前提を共有しておきます。

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実際に使える様式が必要な方へ

保育日誌や午睡チェック表のExcel様式は、商い屋の保育向けのページにそろっています。この記事は書き方の側です。

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書いてはいけない書き方

あとで問題になる書き方があります。3つ挙げます。

1つ目が、子どもを評価する言葉です。「落ち着きがない」「わがまま」「乱暴」。これは子どもの姿ではなく、書いた人の評価です。行動で書きます。「順番を待つ場面で、前に並んでいた子を押して前に出た」。

2つ目が、他の子の氏名を書くことです。トラブルの場面で相手の名前を書くと、開示を求められたときに別の子の個人情報になります。「同じクラスの子」と書きます。

3つ目が、保護者や家庭への評価です。「家庭でのしつけが」「保護者の対応が」。日誌は園の記録なので、家庭を評価する場所ではありません。事実として必要なら、「朝、保護者から『昨夜は遅くまで起きていた』とのお話があった」と、聞いたことを書きます。

子どもの姿は、良いところも困っているところも書いて構いません。評価にせず、行動で書くという一点だけを守ります。

言葉づかいは、保護者や自治体が読む可能性がある前提で選びます。園の中だけで通じる言い回しは避けます。

訂正の仕方も決めておきます。電子の場合は、修正の履歴が残る仕組みにしておきます。書き間違いを塗りつぶすと、何を消したか分かりません。二重線を引いて訂正します。

勤務時間内に書き終える

いちばん切実な部分です。時間を作る工夫を4つ挙げます。

手が空くのを待っていると、書く時間は来ません。

1つ目が、その場でメモを取ること。全部を文にせず、場面と言葉だけを書き留めます。「積み木/もう1回/◯◯ちゃん」。あとで文にするのは数分で済みます。

2つ目が、ねらいを週案から写すこと。前に書いたとおりです。考える時間が丸ごと消えます。

3つ目が、書く欄の大きさを実際に書ける量にすること。半ページ空いていると、埋めなければと感じます。4行から5行に収まる欄にしておけば、そのぶんの時間で済みます。

4つ目が、午睡の時間を書く時間に充てること。ただし午睡チェックの担当と兼ねないようにします。書類に集中すると、チェックが飛びます。

書く時間を短くする4つその場でメモひと言だけ残す週案から写すねらいは考え直さない欄を小さく書ける量を決めておく時間を取る午睡中の15分を当てる
メモ・週案から写す・欄を小さく・時間を確保、の4つを並べた図

持ち帰って書くのが常態になっているなら、それは様式か体制の問題です。個人の工夫で解決する話ではないので、園として見直す議題にします。

クラスごとの違い

年齢によって、書ける内容も書くべき内容も変わります。同じ様式でも、重心が違います。

0歳児は、生活のリズムが中心になります。睡眠、授乳やミルクの量、排泄、機嫌。個人差が大きいので、1人ずつの記録が厚くなります。クラス全体のねらいより、その子の状態のほうが情報量が多くなります。

1〜2歳児は、できるようになったことが日々変わります。「初めて」の場面を拾うと、記録として価値が出ます。自分でスプーンを持った、靴を履こうとした。

3歳以上になると、友だちとの関わりが中心になります。ここからは場面を切り取る書き方が効いてきます。誰と誰が何をしていて、どんなやり取りがあったか。

年齢が上がるほど、クラスとしてのねらいに沿った記録が書きやすくなります。逆に0歳児クラスでは、ねらいが「安心して過ごす」のように大きくなりがちなので、その子ごとの姿で具体化します。

様式を年齢で分けている園もあります。0歳児クラスだけ個人記録の欄を大きくする、といった形です。同じ様式を全クラスに当てると、どこかが書きにくくなります。

連絡帳との書き分け

保育日誌と連絡帳は、読む人が違います。書き分けを決めておくと、二度手間になりません。

日誌は園の記録です。計画との対応、クラス全体の動き、次の一手。読むのは同僚と、指導検査です。連絡帳は保護者への報告です。その子の様子、体調、家庭に伝えたいこと。

日誌と連絡帳は読む人が違う保育日誌読むのは職員と検査クラス全体の育ちねらいに対する振り返り園の記録として残る連絡帳読むのは保護者その子1人のこと同じ文章を使い回さない
日誌と連絡帳で、読む人と書く内容が違うことを並べた比較の図

保護者に伝えたいことと、園として残したいことは、重なる部分もあれば違う部分もあります。

同じ場面を両方に書くのは構いません。ただし、書き方は変えます。日誌には「ねらいに対してどうだったか」、連絡帳には「その子が今日どんな顔をしていたか」。

連絡帳のほうが量が多くなる園もあります。1人ずつ書くので、人数ぶんの時間がかかります。日誌を短くして、連絡帳に時間を回すという配分も、園の考え方として成り立ちます。

書き方をそろえる

複数の担任がいる園では、人によって書き方が違うと読みにくくなります。そろえる工夫を3つ挙げます。

1つ目が、見本を1枚用意すること。よく書けた日誌を、名前を伏せて見本にします。説明を10分するより、埋まった1枚を見せるほうが早く伝わります。

複数の目で同じ子を見ることにもなり、担任以外が気づいた場面が拾えます。

2つ目が、書き出しの型を決めること。子どもの姿は「◯◯ちゃんが〜」から始める、振り返りは「ねらいの◯◯は〜」から始める。型があると、迷う時間が減ります。

3つ目が、読み合う場を作ること。月に1度、他のクラスの日誌を読む時間を取ります。書き方の違いに気づけますし、他のクラスの取り組みも知れます。

新しく入った職員には、最初の1か月は一緒に書きます。書いたものに赤を入れるのではなく、隣で一緒に考えるほうが身につきます。「この場面、どう書く?」と聞くところから始めます。

そろえるのは書き方であって、内容を型にはめることではありません。その人が見た場面が書かれていることが大事なので、表現の個性は残して構いません。

保存と見返し

日誌は、書いたあとに読まれる場面があります。

月末の振り返りでは、1か月ぶんを並べて、ねらいが達成できたかを見ます。次の月案を立てる材料になります。指導検査では、計画と日誌の対応が見られます。

保存の年数は、自治体によって運用が異なります。所在地の自治体の保育担当課に確かめて、社内の基準として決めておきます。

月末の振り返りは、担任だけでやらずに他のクラスの職員も入ると、気づきが増えます。同じ子でも、見ている場面が違います。

綴じ方は、クラスごと・月ごとが基本です。年度をまたぐと担任が変わるので、年度末に1年ぶんをまとめるところまでやっておくと、翌年度の担任が引き継げます。

電子化を考えるとき

手書きの負担が大きいので、電子化を検討する園が増えています。判断の材料を整理します。

効くのは、週案からの写しが自動になることです。ねらいの欄に週案の内容が最初から入っていれば、そこを考える時間がゼロになります。手書きでいちばん時間のかかる部分が消えます。

もう1つが、子どもごとの検索です。「◯◯ちゃんについて今月何を書いたか」がすぐ出ます。個人面談の前や、保護者から相談があったときに役立ちます。

一方、入力の速さは人によります。手書きのほうが速い職員もいます。端末の台数が足りないと、順番待ちが発生して逆に時間がかかります。

現実的なのは、その場のメモは紙、清書は端末という形です。メモは走り書きで済み、清書のときに週案からの写しと検索の利点を使えます。

導入するなら、年度の切り替わりに合わせます。年度の途中で変えると、その年度の記録が紙と電子に分かれて、あとから追いにくくなります。

まとめ

保育日誌は、ねらい・子どもの姿・振り返りの3つを1本の流れとして書きます。ねらいは週案から写し、子どもの姿は具体的な1場面で書き、振り返りには次の一手まで書くのが要点です。

まず手を付けるなら、ねらいを週案から写す形に変えるところからです。次に、その場でメモを取る習慣をつけると、書く時間が数分まで縮みます。

日誌は、書く時間が長いほど良いものになるわけではありません。その場で見たことを1場面、次の一手を1つ。これだけで、読まれる日誌になります。

なお、日誌として求められる内容や保存の年数は、自治体によって運用が異なります。最終的な判断は、所在地の自治体の保育担当課にご確認ください。

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実際に使える様式が必要な方へ

保育日誌のExcel様式は、商い屋の保育向けのページにあります。ねらいと振り返りの欄を整えるときの下敷きにも使えます。

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保育日誌は、書くのが目的ではなく、明日の保育を良くするための記録です。振り返りに「明日は◯◯してみる」と書けていれば、それだけで役目を果たしています。

よくある質問

保育日誌には何を書くのですか。

ねらい、子どもの姿、振り返りの3つです。3つがつながった1本の流れとして書くと、短くても中身のあるものになります。

ねらいは毎日考えるのですか。

月案と週案から降ろしてきます。日誌のねらいは、週案のねらいをその日の活動に当てはめたものになります。考える時間が丸ごと省けます。

全員について書くのですか。

書く必要はありません。その日のねらいに関わる場面が見えた子を数人選びます。書く子が偏らないよう、一覧にチェックを付ける形が使われます。

電子化したほうがよいですか。

ねらいを週案から自動で写せる点と、子どもごとに検索できる点が効きます。ただし入力の速さは人によるので、その場のメモは紙、清書は端末という形が現実的です。

書く時間が取れません。

その場でメモを取る、ねらいを週案から写す、欄を4〜5行に収める、の3つで大きく縮みます。持ち帰りが常態なら、様式か体制の問題として園で扱います。

連絡帳と同じことを書いてもよいですか。

構いませんが、書き方を変えます。日誌はねらいに対してどうだったか、連絡帳はその子が今日どんな顔をしていたか、という違いになります。

クラスによって書き方は変わりますか。

年齢で重心が変わります。0歳児は生活のリズムと個人差、1〜2歳児は「初めて」の場面、3歳以上は友だちとの関わり。様式を年齢で分けている園もあります。

うまくいかなかったことも書くのですか。

書きます。次の一手につながるのは、むしろこちらです。書くことが評価に響かない前提を、園として共有しておきます。