介護の記録書き方2026.09.01 公開KK-75

通所介護計画書|一日の流れに落とす

目次

利用者が20人いれば、計画書も20枚。ところが並べて読むと、目標の欄がほとんど同じ言葉で埋まっている。「心身機能の維持」「他者との交流」が並ぶ通所介護計画書は、よく見かけます。

この記事では、通所介護計画書を、一日の流れへの落とし方・目標の書き方・見直しの3つに分けて整理します。同じ言葉が並ばない形にすることを中心に書きます。

モニタリング記録のExcelの様式が、商い屋の介護向けのページにあります。計画の見直しに使えます。

結論:一日の流れに落ちているか

通所介護計画書とは、ケアプランにもとづいて、通所介護として何をどう提供するかを書いた計画です。作るのは管理者で、生活相談員や機能訓練指導員などが関わります。

作る人と細かさが違うケアプランケアマネジャーが作る生活全体通所に求める役割通所介護計画書管理者が作る一日の流れ個別に行うこと
ケアプランと通所介護計画書で、作る人と書く細かさが違うことを並べた比較の図

ポイントはここです。その人の一日の流れに落ちているかどうか。到着してから帰るまでの中で、その人にだけ行うことが書いてあるかを見ます。

送迎、入浴、昼食、レクリエーション。ここまでは全員同じです。計画書に書く価値があるのは、そのあとの部分です。

全員同じにならない3か所

同じ言葉にならないのは、次の3か所です。

1つ目は、その人が通う目的です。入浴のためか、家族の休息のためか、人と話すためか。

2つ目は、通所の中で個別に行うことです。歩行の練習、口腔の体操、役割を持ってもらう。

3つ目は、家での生活とのつながりです。通所で行ったことが、家でどう続くか。

全員同じにならない3か所通う目的本人と家族に聞く個別のこと1つか2つに絞る家とのつながり帰ってから続くか
通う目的・個別に行うこと・家とのつながりという3段の層の図

1つ目を本人と家族に聞いてください。「デイに行くことで、何が楽になりますか」。この答えが、そのまま計画の背骨になります。

答えが「家族が休める時間ができる」でも構いません。それは立派な目的です。書きにくいからと、本人の機能の話にすり替えないことです。

目標の書き方

目標は、通所の場面で確かめられる形にします。

決まりは3つです。

1つ目は、場面を入れることです。「入浴のとき、浴槽をまたぐ動作を自分で行う」。

2つ目は、数えられる形にすることです。回数、距離、時間、介助の有無。

3つ目は、期間を書くことです。3か月か6か月か。

1つ目と2つ目がそろうと、記録が書きやすくなります。「今日はまたげた」「今日は介助した」と書くだけで、達成の度合いが積み上がります。

一日の流れへの落とし方

計画を一日の流れに落とすときは、時間で区切ります。

到着から昼食まで。昼食から午後の活動まで。帰りの支度から送迎まで。

この3つの区切りのどこで、その人に何をするかを書きます。

一日の流れで区切る1到着から昼食体調の確認と活動2午後の活動個別の関わり3帰りの支度送迎までの動き
到着から昼食・午後の活動・帰りの支度という3段のフロー

書くのは1つか2つで足ります。全部の時間に個別の関わりを入れると、現場が回りません。その人にとって大事な場面を1つ選ぶのが現実的です。

選ぶ基準は、目標に近い場面です。歩行が目標なら移動の場面、口腔なら昼食の前後。

職員に伝わる形にする

計画書は、送迎の運転手から入浴の介助に入る職員までが読むものです。

伝える工夫は3つです。

1つ目は、1人1行の一覧を作ることです。利用者の名前と、その日に気をつけること。

2つ目は、朝の申し送りで読み上げることです。

3つ目は、変わった人だけ知らせることです。全員分を毎日読み上げると、誰も聞かなくなります。

3つ目が要点です。変わっていない人の情報は、聞く側にとって雑音になります。今日変わった2人だけを伝えるほうが届きます。

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モニタリング記録のExcelの様式が、商い屋の介護向けのページにあります。通所の様子を記録して見直しに使えます。

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送迎の情報も計画に入れる

通所介護で、いちばん事故が起きやすいのは送迎です。ところが計画書には書かれていないことが多くあります。

書いておくのは4つです。

1つ目は、乗り降りの介助の内容です。どこまで手を出すか。

2つ目は、玄関までの経路です。段差、階段、雨の日の動線。

3つ目は、家族の在宅の状況です。帰りに誰もいない日があるか。

4つ目は、鍵の扱いです。預かっている場合は、その手順まで。

送迎で書いておく4つ項目書くこと乗り降りどこまで介助するか玄関まで段差と雨の日家族の在宅誰もいない日の対応預かる場合の手順
乗り降り・玄関までの経路・家族の在宅・鍵という4つを並べた表

3つ目を書いていないと、帰りに困ります。誰もいない家に送り届けてよいのか、その場で判断することになります。事前に決めて書いておくのが、事故を防ぐいちばん確実な方法です。

送迎の担当は替わります。運転手が替わっても同じ対応ができる書き方にしてください。

同意と交付

計画書は、利用者に説明して同意を得て、交付します。

残すのは3つです。説明した日、同意の証、交付した日。

サービスを始める前に同意を得てください。同意の日が開始の日より後になっている書類は、実地指導で必ず指摘されます。

家族が同席していない場合は、電話で説明して、後日に署名をもらう形でも構いません。その経過を記録に残します。

家族に見せる形にする

計画書は、家族に読んでもらうと効果が出ます。通所の中でのことは、家族には見えていません。

伝わる工夫は3つです。

1つ目は、専門の言葉を減らすことです。「ADLの維持」ではなく「自分でズボンを上げられる状態を保つ」。

2つ目は、家でしてほしいことを1つ書くことです。通所でやっていることが、家で続くと効果が変わります。

3つ目は、3か月後に結果を伝えることです。

2つ目を入れている計画書は多くありません。「帰ってから30分、座って過ごす時間を作ってください」といった一言があると、家族が関わる余地ができます。

無理な負担をお願いしないことです。家族ができる1つだけを選んでください。

見直しの時期

見直すのは4つの場面です。

1つ目は、ケアプランが変わったときです。

2つ目は、状態が変わったときです。

3つ目は、目標の期間が終わったときです。

4つ目は、提供する内容を変えたときです。

見直す4つの場面場面やることケアプラン変更整合を取り直す状態の変化個別の関わりを直す期間の終了目標を立て直す内容の変更その日に1行足す
見直しの4つの場面と、やることを並べた表

4つ目が抜けます。入浴の介助の方法を変えた、食事の形態を変えた。現場が変えて、計画書が古いままという形です。

変えたら、その日に1行足します。全部を作り直す必要はありません。

モニタリングで何を見るか

見直しの材料は、日々の記録とモニタリングです。

見るのは4つです。

1つ目は、目標に対する動きです。

2つ目は、参加の様子です。休みが増えていないか、活動を断ることが増えていないか。

3つ目は、家での様子です。送迎のときに家族から聞きます。

4つ目は、体調の変化です。

2つ目が早い合図になります。来なくなる前に、断ることが増えます。理由を聞いて計画に反映すると、続けて通ってもらえます。

休みが続いたときの扱い

通所は、来なくなることがあるサービスです。休みが続いたときの動きも決めておきます。

段取りは3段です。

1つ目は、2回続けて休んだら連絡することです。

2つ目は、理由を記録に残すことです。体調か、気持ちか、家族の都合か。

3つ目は、ケアマネジャーに伝えることです。

2つ目の理由が大事です。体調なら医療につなぎ、気持ちなら計画を見直し、家族の都合ならほかのサービスの調整が要ります。理由によってやることが全部違います。

1か月以上空いた方が再開するときは、計画を作り直すかどうかを判断してください。空いている間に状態が変わっていることがあります。

加算との関係

通所介護では、計画書がいくつかの加算の土台になります。

個別機能訓練加算は個別機能訓練計画、口腔機能向上加算は口腔機能向上の計画が要ります。

別々に作ると、目標が食い違います。通所介護計画書の目標と、加算の計画の目標が違う方向を向いていると、現場が混乱します。

先に通所介護計画書の目標を決めて、加算の計画をそこにぶら下げる形にしてください。

20人分を書く段取り

計画書をまとめて作り直す時期は、事務が止まります。段取りを決めておきます。

1つ目は、期限を分散させることです。全員同じ月に切れないよう、契約のときにずらします。

2つ目は、下書きを分担することです。目標は相談員、機能訓練の部分は指導員。

3つ目は、書く順番を決めることです。状態が変わった人から書きます。

1つ目を最初にやってください。全員の期間が同じだと、毎回20枚をまとめて作ることになります。

実地指導で見られるところ

見られるのは4つです。

1つ目は、ケアプランとの整合です。

2つ目は、同意と交付の記録です。

3つ目は、記録との一致です。計画にある個別の関わりが、記録から追えるか。

4つ目は、見直しの記録です。

実地指導で見られる4点見られる点そろえ方ケアプランとの整合無いサービスを載せない同意と交付開始前に同意を記録との一致個別の関わりを書く見直しの記録変えた日を残す
見られる4点と、そろえ方を並べた表

3つ目でつまずきます。計画には「歩行の練習」と書いてあるのに、日々の記録には何も残っていない。やっているなら書いてください。やっていないなら計画を直します。

まとめ

通所介護計画書は、その人の一日の流れに落ちているかが要点です。送迎、入浴、昼食までは全員同じ。書く価値があるのは、そのあとの部分です。

同じ言葉にならないのは3か所。通う目的、個別に行うこと、家での生活とのつながり。1つ目は本人と家族に聞いてください。

目標は、場面を入れて数えられる形にします。「入浴のとき、浴槽をまたぐ動作を自分で行う」という書き方です。

見直しは、提供する内容を変えたときが抜けます。現場が変えて計画書が古いまま、という形がいちばん多い指摘です。加算の計画は、通所介護計画書の目標にぶら下げてください。

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よくある質問

Q. 通所介護計画書は誰が作りますか。 A. 管理者です。生活相談員や機能訓練指導員が関わって作る形が一般的です。

Q. ケアプランとどう違いますか。 A. ケアプランは生活全体の計画、通所介護計画書は通所介護として何をどう提供するかの計画です。

Q. 目標が全員同じになります。 A. 通う目的を本人と家族に聞いてください。「デイに行くことで何が楽になりますか」という質問が効きます。

Q. 「家族が休める時間ができる」は目標になりますか。 A. なります。立派な目的です。本人の機能の話にすり替えないでください。

Q. 個別の関わりはいくつ書きますか。 A. 1つか2つで足ります。全部の時間に入れると現場が回りません。

Q. どの場面を選びますか。 A. 目標に近い場面です。歩行が目標なら移動の場面、口腔なら昼食の前後を選びます。

Q. 職員に読んでもらえません。 A. 1人1行の一覧を作り、今日変わった人だけを朝に伝えてください。全員分を読み上げると聞かれなくなります。

Q. 同意はいつ取りますか。 A. サービスを始める前です。同意の日が開始の日より後になっている書類は必ず指摘されます。

Q. 家族が来られません。 A. 電話で説明して後日に署名をもらう形でも構いません。その経過を記録に残してください。

Q. 見直しはどのくらいの頻度ですか。 A. 目標の期間の終わりと、状態が変わったときです。提供する内容を変えたときも対象です。

Q. 入浴の方法を変えました。 A. 計画書に1行足してください。現場が変えて計画が古いまま、という形がいちばん多い指摘です。

Q. 個別機能訓練計画と別に作りますか。 A. 別の書類ですが、目標は同じ方向を向かせてください。先に通所介護計画書の目標を決めて、加算の計画をぶら下げます。

Q. 全員の計画書が同じ月に切れます。 A. 契約のときに期限を分散させてください。毎回20枚をまとめて作ることになります。

Q. モニタリングでは何を見ますか。 A. 目標に対する動き、参加の様子、家での様子、体調の変化の4つです。断ることが増えたら早い合図です。

Q. 利用者が活動に参加しません。 A. 理由を聞いて計画に反映してください。来なくなる前に、断ることが増えます。

Q. 記録に個別の関わりが残っていません。 A. やっているなら書いてください。やっていないなら計画を直します。どちらかです。

Q. 様式は決まっていますか。 A. 自治体が示していることがあります。示されていない場合も、一日の流れを書ける欄がある様式を選んでください。

Q. 認知症の方の目標はどう書きますか。 A. できることを数える形にします。「名前を呼ばれて席に着ける」「昼食を最後まで席で食べられる」。その日の様子で上下するので、回数で見てください。

Q. 短時間の利用でも計画は要りますか。 A. 要ります。時間が短いぶん、個別の関わりを1つに絞ってください。入浴だけの利用なら、入浴の場面に集中させます。

Q. 家族に計画書を読んでもらえません。 A. 専門の言葉を減らし、家でしてほしいことを1つだけ書いてください。「帰ってから30分、座って過ごす時間を」といった一言で、関わる余地ができます。

Q. 再開するときは計画を作り直しますか。 A. 1か月以上空いた方は、状態が変わっていることがあります。作り直すかどうかを判断してください。

Q. 送迎のことも計画書に書きますか。 A. 書いてください。乗り降りの介助、玄関までの経路、家族の在宅の状況、鍵の扱いの4つです。帰りに誰もいない日の対応を決めておくと、その場で迷いません。

Q. 休みが続いています。 A. 2回続けて休んだら連絡し、理由を記録してください。体調か気持ちか家族の都合かで、次にやることが全部違います。

Q. 保存期間は。 A. 介護保険のほかの記録と同じ扱いです。自治体の条例を確かめてください。