出席簿の書き方|在籍と登降園を分けて数える
目次
出席簿は毎日つけているものの、何のために必要なのかを考える機会はあまりありません。月末の集計が合わないときに、初めて記入の仕方がばらばらだったことに気づきます。
この記事では、出席簿を、何のための記録か・書く項目・数え方の3つに分けて整理します。読み終えたときに、自社の記入の仕方をそろえられる状態を目指します。
結論:在籍と、その日いたかは別の数字
出席簿とは、在籍する子どもの出欠を、日ごとに記録する帳簿のことです。
必要な帳簿として備えることが求められる形があります。運営に関する給付や補助の基礎になる場合もあります。
ポイントはここです。在籍している人数と、その日に来た人数は別です。在籍しているが長期に休んでいる子、途中入園の子。数える対象が違うと、集計も変わります。
記入の仕方がばらばらだと、月末に合いません。記号の意味を決めて、全員がそろえるのが最初の作業です。
書く項目
出席簿に入れるのは5つです。
クラスと年月。
児童の氏名。在籍順、生年月日順など、並べ方を決めます。
日ごとの出欠。記号で記入します。
欠席の理由。病気、家庭の都合、忌引など。
月の集計。在籍日数、出席日数、欠席日数。
欠席の理由が抜けやすいところです。感染症による欠席が増えているかどうかは、理由が書いてあって初めて分かります。
途中入園と退園の日付も書きます。在籍日数の計算に関わります。
記号を決める
記号の意味を決めて、掲示しておきます。よく使われるのは次のものです。
出席。丸、または空欄。
欠席(病気)。病の字、または独自の記号。
欠席(家庭の都合)。別の記号。
遅刻・早退。三角など。
忌引・出席停止。別の記号。
出席停止を、普通の欠席と分けます。感染症で登園を控えてもらった日は、扱いが違う場合があります。
記号の凡例を、出席簿の表紙か欄外に印刷しておきます。担任が代わっても、同じ記入になります。
数え方をそろえる
集計でずれるのは、数え方が決まっていないためです。決めておくのは4つです。
1つ目は、在籍日数の数え方です。開所日で数えるのか、暦日か。途中入園の子はいつから数えるか。
2つ目は、遅刻・早退の扱いです。出席に数えるか。
3つ目は、出席停止の扱いです。欠席に数えるか、別に数えるか。
4つ目は、土曜日の扱いです。登園する子と、しない子がいる場合。
4つ目でずれる園が多くあります。土曜保育の対象の子だけを数えるのか、全員を数えるのか。
自治体に提出する書類がある場合、その様式の数え方に合わせます。園の集計と提出用がずれると、二度手間になります。
登降園の時刻と分ける
出席簿と、登降園の記録は別のものです。混ぜないようにします。
出席簿は、その日いたかどうか。
登降園の記録は、何時に来て何時に帰ったか。
延長保育や、時間帯による区分がある場合、登降園の時刻が必要になります。出席簿に丸を付けるだけでは足りません。
登降園の記録は、保護者が記入する形を取っている園もあります。打刻の仕組みを使っている園もあります。
どちらの記録も、緊急のときに使います。「いま園に何人いるか」を知るのは、登降園の記録です。
緊急時に使う
出席簿と登降園の記録は、災害や不審者の対応のときに使います。備えとして3つ決めます。
1つ目は、すぐ持ち出せる形にすることです。避難のときに持って出る。
2つ目は、人数を数えられる形にすることです。クラスごとの在籍と、その日の人数。
3つ目は、連絡先が一緒に見られることです。保護者への連絡に使います。
避難訓練のときに、実際に持ち出してみます。重い、探すのに時間がかかる、といったことが分かります。
クラスごとに1枚のリストを、持ち出し用に別に用意している園もあります。出席簿そのものより軽くなります。
感染症との関係
欠席の理由を記録しておくと、感染症の流行に早く気づけます。見るのは3つです。
1つ目は、同じ症状の欠席が増えていないかです。発熱、嘔吐、下痢。
2つ目は、同じクラスに集まっていないかです。
3つ目は、期間です。何日で何人になったか。
数が一定を超えると、報告が求められる場合があります。基準は自治体や感染症の種類によります。確かめて紙に控えておきます。
欠席の理由が「都合」ばかりだと、この見方ができません。保護者から聞き取るときに、症状を確かめる形にしておきます。
保存と提出
出席簿の保存の期間は、施設の種類や自治体の基準によります。
自治体へ提出する書類の基礎になることがあります。提出したものと、園の出席簿が一致しているかを確かめます。
月末に集計する時間を決めておきます。溜めると、記入の誤りを直すのに時間がかかります。
電子で管理している場合も、印刷して出せる形にしておきます。監査や指導のときに求められることがあります。
数える単位をそろえる
出席簿の数字は、月の報告や運営の資料に使われます。単位がそろっていないと、あとで数え直すことになります。
そろえるのは4つです。
1つ目は、在籍の数え方です。月の初日か、月末か。日を決めます。
2つ目は、途中入園と途中退園の扱いです。在籍した日数で数えるのか、月単位で数えるのか。
3つ目は、一時預かりの子の扱いです。在籍の数に入れるかどうか。
4つ目は、延長保育の数え方です。出席とは別に数えます。
4つの決め方は、提出先の自治体が示していることがあります。所轄の市町村の保育担当課に確かめてください。園で独自に決めると、提出のたびに直すことになります。
記号が増えすぎないようにする
出席簿の記号は、増やすほど分からなくなります。
抑えるための考え方は3つです。
1つ目は、記号を5つ以内にすることです。出席、欠席、遅刻、早退、出席停止。これで足ります。
2つ目は、理由は記号にしないことです。体調不良か家庭の都合かは、備考の欄に書きます。記号にすると覚えられません。
3つ目は、一覧を表紙の裏に印刷することです。新しく入った職員が迷いません。
記号を足したくなったときは、備考で足ります。記号を足すと、過去の月と比べられなくなります。年度の途中では変えないでください。
欠席が続く子への対応
出席簿は、欠席が続いている子に気づくための道具でもあります。
対応は4段です。
1つ目は、続いた日数で線を引くことです。「連続3日」「月に何日」。園で基準を決めます。
2つ目は、連絡を取ることです。電話で状況を確かめます。つながらない場合は日を変えて繰り返します。
3つ目は、記録に残すことです。かけた日時、つながったかどうか、話した内容。
4つ目は、つながらない状態が続いたら市町村に相談することです。ここを園の中で抱えないことです。相談の目安は所轄の市町村の保育担当課に確かめてください。
欠席の連絡が無いまま登園しない日は、その日のうちに確かめます。これは園児の安全に直結します。
緊急のときにすぐ使える形にする
火災や地震のとき、その日に誰がいるかを一瞬で確かめる必要があります。
そのための工夫は4つです。
1つ目は、その日の在園の数が1か所に出る形にすることです。朝の受け入れが終わった時点で数を確定します。
2つ目は、持ち出せる形にすることです。紙の名簿を1部、避難のときに持ち出す袋に入れておきます。
3つ目は、遅れて登園する子が分かる形にすることです。朝の時点で欠席と決めてしまうと、あとから来た子が名簿に載りません。
4つ目は、早く帰った子が分かる形にすることです。
電子で管理している園ほど、2つ目が抜けます。停電すると見られません。紙の名簿を毎日1枚印刷する運用にしている園があります。
提出のときに気をつけること
出席簿は、提出と保存の両方がある書類です。
決めるのは4つです。
1つ目は、提出の時期と様式です。自治体に月ごとに報告する形が一般的です。
2つ目は、園に残す形です。提出した内容の控えを残します。
3つ目は、保存の年数です。自治体の指導によって違います。
4つ目は、直したときの跡です。二重線で直し、直した人が分かる形にします。
提出したあとに間違いに気づいた場合は、すぐ連絡します。在籍の数は給付に関わることがあります。黙って次の月で調整すると、そのほうが大きな問題になります。年数と手続きは所轄の市町村の保育担当課に確かめてください。
朝の受け入れで確かめること
出席簿の正確さは、朝の受け入れの場面で決まります。ここで確かめたことが、その日の記録になります。
確かめるのは4つです。
1つ目は、来た子の名前です。受け入れた人がその場で印を付けます。
2つ目は、体調です。熱、機嫌、食事、睡眠。気になることは備考に書きます。
3つ目は、帰りの予定です。お迎えの人と時刻が普段と違う場合。
4つ目は、連絡の無い欠席です。朝の受け入れが終わった時点で、来ていない子を確かめます。
4つ目を担当する人を決めておきます。「誰かが気づくだろう」にすると、その日のうちに確かめられません。時刻を決めて、その時刻に一覧を見る形にします。
まとめ
出席簿は、在籍する子どもの出欠を日ごとに記録する帳簿です。運営に関する給付や補助の基礎になる場合もあります。
在籍している人数と、その日に来た人数は別です。数える対象が違うと集計も変わります。記号の意味を決めて、全員がそろえます。
数え方で決めるのは4つ。在籍日数、遅刻・早退、出席停止、土曜日の扱い。4つ目でずれる園が多くあります。
出席簿と登降園の記録は別のものです。延長保育などでは時刻が必要になります。どちらも緊急のときに使うので、持ち出せる形にしておきます。保存と提出は、所管の自治体に確かめるのが確実です。
よくある質問
Q. 様式は決まっていますか。 A. 自治体が様式を示している場合があります。提出用の様式がある場合は、それに合わせておくと二度手間になりません。所管の自治体に確かめます。
Q. 遅刻や早退は出席に数えますか。 A. 園で決めて、全員がそろえます。自治体への提出用の数え方がある場合は、それに合わせます。凡例に書いておくと、担任が代わっても同じになります。
Q. 出席停止は欠席と同じ扱いですか。 A. 扱いが分かれる場合があります。感染症による出席停止を別に数える形が取られていることがあります。自治体の基準を確かめて、記号を分けておきます。
Q. 長期に休んでいる子はどう扱いますか。 A. 在籍している限り、在籍の人数には入ります。出席日数には入りません。長期の欠席が続く場合、自治体への報告が求められることがあります。確かめておきます。
Q. 電子で管理してもよいですか。 A. できます。集計が自動になる利点があります。ただし、避難のときに持ち出せるか、印刷して出せるかを確かめます。紙のリストを別に用意している園もあります。
Q. 欠席の理由は、どこまで聞きますか。 A. 症状が分かる程度に聞きます。感染症の流行に早く気づくためです。「都合」だけだと、その見方ができません。聞き方を決めて、朝の受付でそろえます。
Q. 集計はいつしますか。 A. 月末に行う形が一般的です。溜めると誤りを直すのに時間がかかります。週に1回、記入の漏れを確かめる時間を取っている園もあります。
Q. 保存の期間はどれくらいですか。 A. 施設の種類や自治体の基準によります。他の帳簿とあわせて残している園が多くあります。つづりの表紙に年数を書いておくと管理できます。
Q. 避難のときに、どの記録を持ち出しますか。 A. クラスごとの在籍と、その日の登園の状況が分かるものです。出席簿そのものが重い場合は、持ち出し用のリストを別に用意します。避難訓練のときに実際に持ち出してみると、使えるかが分かります。
Q. 土曜保育の数え方が分かりません。 A. 自治体への提出用の数え方に合わせるのが確実です。園の集計と提出用がずれると、月末に二度手間になります。所管の自治体に確かめて、凡例に書いておきます。
Q. 出席簿と登降園の記録は分けますか。 A. 分けます。出席簿はその日いたかどうか、登降園の記録は時刻です。使う場面が違います。1枚にまとめると、どちらも見づらくなります。
Q. 出席簿は手書きでなければいけませんか。 A. 電子でも構いません。ただし印刷して出せる状態にしてください。指導監査ではその場で確かめられます。直した跡が残る仕組みであることも確かめます。
Q. 出席停止の日は欠席に数えますか。 A. 扱いは自治体によって違います。感染症による出席停止を別に数える形が多く使われています。所轄の市町村の保育担当課に確かめてください。
Q. 土曜の保育も出席簿に入れますか。 A. 入れます。開所している日はすべて記録の対象になります。利用する子が少ない日ほど、書き漏れが起きやすいので注意してください。
Q. 間違えて記号を書いたときは、どう直しますか。 A. 二重線を引いて、正しい記号を書きます。修正液は使いません。元の記載が読める形で残すことが、公的な記録の基本です。
Q. 欠席の連絡はどの方法で受けますか。 A. 電話、アプリ、連絡帳。園で決めて保護者に伝えます。方法が複数あると、受けた人と受けていない人が出ます。受けた内容は1か所に集める形にしてください。
Q. 出席簿は何年保存しますか。 A. 自治体の指導によって違います。所轄の市町村の保育担当課に確かめてください。給付に関わる書類は、他の記録より長い年数を求められることがあります。
Q. 一時預かりの子の分は、別の名簿にしますか。 A. 分ける園が多くあります。在籍の数え方が違うためです。ただし避難のときに持ち出す名簿は、両方が1枚に載っている形にしてください。