介護の記録書き方2026.08.25 公開KK-72

訪問介護計画書|ケアプランの写しにしない

目次

ケアプランの目標をそのまま写して、サービスの内容も同じ言葉で埋める。訪問介護計画書が、ケアプランの縮小版になっている事業所は少なくありません。書けてはいますが、ヘルパーが読んでも動けない紙になっています。

この記事では、訪問介護計画書を、ケアプランとの違い・書き分ける4か所・見直しの時期の3つに分けて整理します。訪問に入る人が読んで動ける形にすることを中心に書きます。

サービス提供記録のExcelの様式が、商い屋の介護向けのページにあります。計画と実績をつなげて使えます。

結論:手順まで書いてあるか

訪問介護計画書とは、ケアプランにもとづいて、訪問介護として何をどう提供するかを具体的に書いた計画です。作るのはサービス提供責任者です。

ケアプランを作るのはケアマネジャー、訪問介護計画書を作るのは事業所。作る人も、書く細かさも違います。

作る人と細かさが違うケアプランケアマネジャーが作る生活全体の計画何を使うか訪問介護計画書サ責が作る手順まで書くどう提供するか
ケアプランと訪問介護計画書で、作る人と書く細かさが違うことを並べた比較の図

ポイントはここです。手順まで書いてあるかどうか。「入浴介助」で終わるのがケアプランなら、訪問介護計画書は「浴室までの移動を見守り、洗身は背中のみ介助」まで書きます。

ここが書けていると、初めて入るヘルパーでも同じ介助ができます。書けていないと、人が替わるたびに介助の内容が変わります。

ケアプランと書き分ける4か所

書き分けるのは4か所です。

1つ目は、目標です。ケアプランの目標を受けて、訪問介護でどこまで担うかを書きます。

2つ目は、サービスの内容です。身体介護と生活援助の区分、具体的な行為。

3つ目は、手順です。どの順番で、どこまで介助するか。

4つ目は、時間の配分です。何分で何をするか。

書き分ける4か所書くこと中身目標訪問介護が担う範囲内容身体介護か生活援助か手順どこまで介助するか時間何分で何をするか
目標・内容・手順・時間という4か所の書き分けを並べた表

3つ目と4つ目が、ケアプランには書かれていない部分です。ここを書くのが訪問介護計画書の役目です。

写しになっている計画書は、たいてい3つ目と4つ目が空いています。その2つを足すだけで、別の紙になります。

手順の書き方

手順は、その場の動きが目に浮かぶ言葉で書きます。

書き方の決まりは3つです。

1つ目は、動作で書くことです。「清潔の保持」ではなく「湯温を確認し、背中を洗う」。

2つ目は、どこまで手を出すかを書くことです。見守るのか、一部を介助するのか、全部行うのか。

3つ目は、本人がすることを書くことです。本人ができる部分を残すのが、生活を保つことにつながります。

読んで動ける書き方目的だけ清潔の保持入浴介助人により変わる手順まで湯温を確認背中のみ介助誰でも同じ介助
目的だけの書き方と、手順まで書いた書き方を並べた比較の図

3つ目を書いている計画書は多くありません。「本人が石けんを泡立て、ヘルパーが背中を流す」と書いてあると、できることを奪わない介助になります。

長く書く必要はありません。1つの行為につき2行で足ります。

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実際に使える様式が必要な方へ

サービス提供記録のExcelの様式が、商い屋の介護向けのページにあります。計画の手順に沿って記録できます。

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生活援助と身体介護の区分を迷わせない

計画書の書き方で、現場がいちばん迷うのが区分です。ここが曖昧だと、同じ行為をヘルパーごとに違う区分で記録することになります。

はっきりさせるのは3つです。

1つ目は、行為ごとに区分を書くことです。まとめて「身体介護30分」ではなく、行為の横に区分を置きます。

2つ目は、続けて行う場合の並びを書くことです。身体介護のあとに生活援助が続く形は多くあります。どちらが先かを書いておきます。

3つ目は、迷ったときの相談先を書くことです。サービス提供責任者の名前と連絡先を、計画書の隅に書いておく事業所もあります。

区分で迷わせない3つ行為ごと横に区分を書く並びどちらが先か相談先サ責の連絡先
行為ごとの区分・続けて行う並び・相談先という3段の層の図

1つ目を徹底するだけで、記録のばらつきがほとんど消えます。区分は請求に直結するので、ここが合っていないと返戻につながります。

見守り的援助のように、判断が分かれやすい行為があります。その行為だけは、計画書に理由まで書いてください。「転倒の危険があるため、調理の間は見守る」と書いてあれば、記録も請求も説明できます。

目標の書き方

目標は、3か月から6か月で届く大きさにします。

書くときの決まりは3つです。

1つ目は、本人の言葉から作ることです。「一人でトイレに行きたい」。

2つ目は、達成が分かる形にすることです。「手すりを使って自分でズボンを上げられる」。

3つ目は、訪問介護が担う範囲に絞ることです。医療や機能訓練が担う部分まで書き込まない。

1つ目を飛ばすと、事業所の言葉になります。本人に読んでもらったときに伝わらない目標は、続ける理由になりません。

長期と短期に分ける場合は、短期を先に決めると書きやすくなります。

同意をどう取るか

訪問介護計画書は、利用者に説明して同意を得て、交付します。

残すのは3つです。

1つ目は、説明した日です。

2つ目は、同意を得た証です。署名か記名。

3つ目は、交付した日です。

3つ目が抜けます。同意はもらったが、計画書を渡していない。手元にあるのは事業所の控えだけ、という形です。

同意の日が、サービスを始めた日より後にならないようにしてください。計画に同意していない状態でサービスを始めた形になります。

作るときの段取り

計画書は、思いついた順に書くと時間がかかります。順番を決めると30分で書けます。

段取りは4段です。

1つ目は、ケアプランを読むことです。目標と、訪問介護に求められている役割を押さえます。

2つ目は、本人と家族に聞くことです。困っていること、してほしいこと、自分でやりたいこと。

3つ目は、実際の場面を思い浮かべることです。玄関からどう入り、どの順で動くか。

4つ目は、書くことです。

3つ目を飛ばすと、手順が書けません。机の上で書こうとすると、目的の言葉だけが並びます。訪問した日の記憶が新しいうちに書くのがいちばん早い方法です。

新規の方なら、初回の訪問のあとに書きます。すでに入っている方なら、直近の記録を1か月分読んでから書くと、実際の動きが書けます。

見直しの時期

見直しは、決まった周期と、変化があったときの2つで行います。

見直すのは4つの場面です。

1つ目は、ケアプランが変わったときです。

2つ目は、本人の状態が変わったときです。入院、退院、要介護度の変更。

3つ目は、目標の期間が終わったときです。

4つ目は、サービスの内容を変えたときです。

見直す4つの場面場面やることケアプラン変更整合を取り直す状態の変化手順を見直す期間の終了目標を立て直す内容の変更その日に1行足す
ケアプランの変更・状態の変化・期間の終了・内容の変更という4つの場面を並べた表

4つ目が抜けやすいところです。現場の判断で介助の方法を変えたのに、計画書が古いまま。実際の提供内容と計画が違う状態は、実地指導で必ず指摘されます。

変えたら、その日に1行足すだけで構いません。全部を作り直す必要はありません。

ヘルパーに読んでもらう形にする

計画書は、訪問に入る職員が読むものです。事務所のファイルに入れたままでは意味がありません。

工夫は3つあります。

1つ目は、手順の部分を1枚にまとめることです。計画書の全部でなく、その日の動きが分かる部分。

2つ目は、変わった箇所に印を付けることです。前回から変わった行だけを見れば済みます。

3つ目は、新しく入る職員に口頭で伝えることです。紙を渡すだけでは読まれません。

2つ目がいちばん効きます。全文を読み直す時間は誰にもありません。変わった行が分かれば、そこだけ見ます。

実地指導で見られるところ

見られるのは4つです。

1つ目は、ケアプランとの整合です。ケアプランに無いサービスを提供していないか。

2つ目は、同意と交付の記録です。

3つ目は、実際の提供内容との一致です。記録と計画が合っているか。

4つ目は、見直しの記録です。

実地指導で見られる4点見られる点そろえ方ケアプランとの整合無いサービスを載せない同意と交付3つの日付を残す記録との一致月1回突き合わせ見直しの記録変えた日を書く
見られる4点と、そろえ方を並べた表

3つ目でいちばん多く指摘が出ます。サービス提供記録には書いてあるのに、計画書には無い行為。逆に、計画にあるのに記録に無い行為。どちらも説明が要ります。

月に1回、計画と記録を並べて見る時間を取ってください。5分で終わります。

家族への伝え方も書いておく

訪問介護は、家族が留守の時間に入ることが多くあります。やったことが家族に伝わらないと、後から食い違いが出ます。

決めておくのは3つです。

1つ目は、連絡ノートの置き場所です。

2つ目は、書く内容です。その日の様子と、してきたこと。

3つ目は、すぐ伝える場合の連絡先です。体調の変化や、家の中の異変。

3つ目を計画書に書いておいてください。その場でヘルパーが迷わずに済みます。誰に、どの順で連絡するか。携帯が出ない場合の次の相手まで書いておくと確実です。

家族と本人で希望が違う場面もあります。どちらの希望をどう扱うかも、計画書に書いておくと、現場が板挟みになりません。

まとめ

訪問介護計画書は、ケアプランの写しにしないことが要点です。作る人も、書く細かさも違います。

書き分けるのは4か所。目標、サービスの内容、手順時間の配分。後ろの2つがケアプランには無い部分で、写しになっている計画書はここが空いています。

手順は、動作で書き、どこまで手を出すかを書き、本人がすることを書きます。1つの行為につき2行で足ります。

見直しは、サービスの内容を変えたときが抜けやすいところです。変えたらその日に1行足してください。実際の提供内容と計画が違う状態が、いちばん多い指摘です。

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実際に使える様式が必要な方へ

サービス提供記録のExcelの様式が、商い屋の介護向けのページにあります。計画の手順に沿って記録を残してください。

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よくある質問

Q. 訪問介護計画書は誰が作りますか。 A. サービス提供責任者です。ケアプランを作るケアマネジャーとは別です。

Q. ケアプランとどう違いますか。 A. ケアプランは生活全体の計画、訪問介護計画書は訪問介護として何をどう提供するかの計画です。手順と時間の配分が違いです。

Q. ケアプランを写してはいけませんか。 A. 写しただけでは、ヘルパーが読んでも動けません。手順と時間を足してください。

Q. 手順はどのくらい細かく書きますか。 A. 1つの行為につき2行で足ります。動作の言葉で、どこまで手を出すかを書きます。

Q. 本人ができることも書きますか。 A. 書いてください。できることを奪わない介助につながります。「本人が石けんを泡立て、ヘルパーが背中を流す」といった形です。

Q. 目標はどう書きますか。 A. 本人の言葉から作り、達成が分かる形にします。訪問介護が担う範囲に絞ってください。

Q. 同意は書面で取りますか。 A. 署名か記名をもらう形が一般的です。説明した日、同意を得た日、交付した日の3つを残してください。

Q. 計画書は利用者に渡しますか。 A. 交付します。控えだけが事業所にある状態にしないでください。

Q. 見直しはどのくらいの頻度ですか。 A. 目標の期間の終わりと、状態が変わったときです。サービスの内容を変えたときも見直しの対象です。

Q. 現場で介助の方法を変えました。 A. 計画書に1行足してください。実際の提供内容と計画が違う状態が、いちばん多い指摘です。

Q. ヘルパーが計画書を読んでくれません。 A. 手順の部分を1枚にまとめ、変わった箇所に印を付けてください。全文を読み直す時間は誰にもありません。

Q. 生活援助と身体介護の区分はどこに書きますか。 A. サービスの内容の欄に書きます。区分が請求に直結するので、現場が迷わない書き方にしてください。

Q. 複数のヘルパーが入る場合は。 A. 1つの計画書で構いません。担当によって介助が変わらないよう、手順を具体的に書いておきます。

Q. 期間はどう書きますか。 A. 目標の達成に必要な期間を書きます。ケアプランの期間と大きくずれないようにしてください。

Q. 新規の利用者の場合は。 A. サービスを始める前に作り、同意を得ます。訪問介護の初回加算の要件にも関わります。

Q. 計画書の様式は決まっていますか。 A. 自治体が様式を示していることがあります。示されていない場合は自由な形で構いませんが、手順と時間の欄がある様式を選んでください。

Q. 訪問の時間が足りません。 A. 計画に書いた内容が、その時間で終わるかを見直してください。入りきらない計画のまま回すと、記録と実際がずれます。ケアマネジャーに時間の変更を相談する形もあります。

Q. 利用者が計画に無いことを頼んできます。 A. その場で受けずに、サービス提供責任者に連絡する流れにしてください。必要なものなら計画に入れます。断ることが目的ではなく、計画に入れるのが目的です。

Q. 計画書の保存期間は。 A. 介護保険のほかの記録と同じ扱いです。自治体の条例で年数が違うので、条例を確かめてください。

Q. 目標が達成できたらどうしますか。 A. 次の目標を立てます。達成したという記録を残してから切り替えてください。同じ目標を惰性で続けないことです。

Q. 家族への連絡はどう決めますか。 A. 連絡ノートの置き場所、書く内容、すぐ伝える場合の連絡先の3つを計画書に書いておきます。携帯が出ない場合の次の相手まで書くと確実です。

Q. 本人と家族で希望が違います。 A. どちらの希望をどう扱うかを計画書に書いてください。書いていないと、現場のヘルパーが板挟みになります。

Q. 実地指導では何を見られますか。 A. ケアプランとの整合、同意と交付の記録、実際の提供内容との一致、見直しの記録の4つです。

Q. 計画と記録の突き合わせはいつやりますか。 A. 月に1回で足ります。5分で終わります。請求の前に見ると、ずれを直せます。